当初、Appleは衛星通信サービスを提供するためにGlobalstarと提携していました。しかし、Bloombergの報道によると、Appleは現在SpaceXおよびT-Mobileとも協力し、iPhoneにStarlink衛星通信機能を追加しようとしているとのことです。

T-MobileとSpaceXは2022年に提携を発表しましたが、これまでT-MobileはStarlink接続をサポートするのはサムスン製スマートフォンのみと公表していました。しかし、同社は2023年12月にStarlink接続のベータプログラムを開始。その後、T-Mobileは一部のiPhoneでStarlinkの初期バージョンのテストを開始したと報じられています。

この新機能は、今週リリースされたiOS 18.3と関連があるとみられています。しかし、Appleはアップデートのリリースノートでこの変更について特に触れていません。

T-Mobileは一部のユーザーに対し、「現在、T-Mobile Starlinkベータ版をご利用中です。衛星経由でテキストメッセージを送信できるため、ほぼどこからでも通信が可能になります。より広範囲のエリアで利用するためには、iOS 18.3にアップデートしてください」と案内しています。

また、T-Mobileは公式サポートページを更新し、Starlink衛星通信がiPhoneに対応したことを正式に発表しました。現在のところ、Starlink経由での通信はテキストメッセージの送信に限定されていますが、将来的にはデータ通信や音声通話にも対応予定とされています。

T-MobileのiPhoneが通常の携帯電話ネットワークの圏外にある場合、Starlink対応のデバイスはまずSpaceXの衛星と自動的に接続を試みます。また、Globalstarの既存の衛星サービスを利用し、Appleの緊急SOS機能を使うことも可能です。

「現時点では、Starlinkはテキストメッセージ専用ですが、SpaceXとT-Mobileは今後データ通信や音声通話にも対応する計画です。また、このプログラムは現在はアメリカ国内のみで利用可能ですが、SpaceXはStarlinkを他の国の通信事業者にも展開することを検討しています。」

Bloombergは、GlobalstarとStarlinkの衛星接続には大きな違いがあると指摘しています。

「2つのサービスには重要な違いがあります。Appleの既存のGlobalstarベースの衛星接続では、ユーザーがiPhoneを空に向ける必要があります。一方、Starlinkの衛星通信は、携帯電話がポケットの中にあっても自動的に接続できるように設計されています。」

T-Mobileは、2025年中にStarlink衛星通信をすべてのユーザーに提供開始する予定と発表しています。現在、T-Mobileのユーザーは同社の公式サイトでStarlinkのベータプログラムに登録可能です。

この新機能により、携帯電話の電波が届かない場所でもiPhoneが通信手段を確保できるようになり、さらなる利便性向上が期待されています。