これまでApple Intelligenceは、iOS 18.1（10月リリース）で初めて導入され、iOS 18.2（12月リリース）で大幅にアップグレードされました。しかし、これまではユーザーが手動で設定をオンにする「オプトイン方式」が採用されていました。

今回、Appleはこの方針を大きく変更し、iOS 18.3ではApple Intelligenceをすべての対応デバイスでデフォルトで有効化することを決定しました。この大胆な一歩により、AIをより多くのユーザーが活用できる環境が整えられます。

さらに、iOS 18.3ではAI機能に関してもう1つ重要な変更が行われるため、このタイミングでの決断には特に意味があります。

最近、Appleの通知要約機能が誤ったニュース情報を提供したことが問題視されました。この批判を受け、AppleはiOS 18.3でニュースとエンターテインメントカテゴリの通知要約を一時的に無効化することを決定しました。

iOSのアップデートで既存の機能が削除されるのは珍しいことですが、Appleはこの機能を一時停止し、精度向上に取り組むとしています。修正が完了次第、再び利用可能になる予定です。

これにより、これまでApple Intelligenceにおける唯一の論争の的だった機能が、少なくとも一時的には取り除かれることになります。

今回の動きは、Appleが引き続きAIに慎重かつ責任あるアプローチを取っていることを示しています。Appleはこれまで、Apple Intelligenceのベータテスト期間中やiOS 18.1の一般公開後も、AIツールの正確性と安全性を確認するために長期間のテストやユーザーからのフィードバック収集を行ってきました。

Appleの「責任あるAI」原則の1つである「慎重に設計する」という方針は、AIモデルのトレーニングや機能開発、品質評価などのすべてのプロセスにおいてリスクを予測し、可能性のある問題を未然に防ぐことを重視しています。

iOS 18.3は、この方針が実行に移されている新たな証拠と言えます。Appleは、デフォルトでAIを有効化する前に慎重に準備を進め、まだ完全に仕上がっていない機能については停止するというバランスを取る姿勢を示しました。

Apple Intelligenceをデフォルトで有効化する決断には、賛否両論が起こる可能性があります。しかし、今回の動きはタイミングや方法の点で適切であり、AppleのAIへの慎重な姿勢を反映したものと評価できます。

iOS 18.3のApple Intelligenceの変更について、あなたはどう思いますか？