Appleのカレンダーアプリに対する戦略は、長年にわたって謎めいていました。GoogleカレンダーやFantasticalといった競合アプリが人気を集める中、Appleは自社のカレンダーアプリをほとんど改良せずに放置していました。

しかし、iOS 18で状況が変わり始めました。これまでにない規模の変更が加えられたのです。劇的な進化とまでは言えないものの、カレンダーアプリにとっては重要なアップデートです。

最も注目すべき変更のひとつは、リマインダーの統合です。これにより、カレンダー内でリマインダーの作成・編集・表示が可能になりました。現時点では、すべてのリマインダーを表示するか、まったく表示しないかのどちらかしか選べないという制限はありますが、それでも便利な機能です。

その他のアップデートには、以下のようなものがあります。
● タイポグラフィやUIの改善を含むデザインの刷新
● イベント詳細を見やすく表示する新しい月間ビュー

これらの変更は、これまでAppleにあまり注目されなかったカレンダーアプリにとって、嬉しい進化といえます。

そしてiOS 18.3では、カレンダーアプリの使い勝手を向上させる新機能が追加されました。
iPhone 16シリーズのカメラコントロールを搭載したモデルでは、iOS 18.3によってAppleのカレンダーアプリがさらに便利になります。カメラコントロールを長押しすると、最近導入された「ビジュアルインテリジェンス」が起動し、iPhoneのカメラがAIを活用したツールとして機能するようになります。

この「ビジュアルインテリジェンス」を使うことで、チラシやポスター、標識などに記載されたイベントの日付をカメラで捉えると、iOS 18.3が自動的にカレンダーに追加することを提案してくれます。

これは、現実世界の情報をデジタルカレンダーに素早く簡単に取り込める便利な機能です。
なお、iOSでは一部のデフォルトアプリを変更できますが、カレンダーはその対象ではありません。そのため、この新機能はAppleのカレンダーアプリ専用となります。
小さな追加機能ではあるものの、カレンダーアプリを使い続ける理由がまたひとつ増えたといえるでしょう。

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