iPhoneのデュアルカメラの進化
Appleは2016年にiPhone 7 Plusを発売し、背面に2つのカメラを搭載した初のモデルを導入しました。このデュアルカメラには、標準の広角レンズに加えてApple初の望遠レンズが搭載されていました。
このシステムにより、デジタルズームによる画質の劣化なしに2倍の光学ズームが可能になり、さらに背景をぼかすポートレートモードも初めて採用されました。
翌年、AppleはiPhone 8 PlusとiPhone Xでデュアルカメラシステムを強化し、2018年のiPhone XSではさらに改良された望遠レンズを搭載。これにより、1倍と2倍の撮影をデジタル処理なしで実現できるようになりました。
しかし、2019年に登場したiPhone 11シリーズで、Appleはカメラシステムの方向性を大きく変更しました。
● iPhone 11:デュアルカメラを搭載するものの、2つ目のレンズは望遠ではなく超広角レンズに変更
● iPhone 11 Pro:超広角・広角・望遠の3つのカメラを搭載
これ以降、デュアルカメラモデルは「広角+超広角」、トリプルカメラモデルは「広角+超広角+望遠」という構成が定着しました。
iPhone 14 Pro以降のカメラの変化
2022年、iPhone 14 Proでは再びカメラの進化が見られました。
● 望遠レンズの倍率が2倍から3倍に変更
● メインカメラが初めて48MP(4800万画素)に
さらに、Appleは48MPのメインカメラを利用して、1倍と2倍の撮影を同じレンズで可能にしました。
これにより、iPhone 16 Proでは以下のような撮影が可能になっています。
● 0.5倍(超広角)
● 1倍 / 2倍(48MPメインカメラ)
● 5倍(望遠)
また、iPhone 16の標準モデルも、2つのカメラで「0.5倍(超広角)と1倍 / 2倍(メインカメラ)」を撮影可能となっています。
iPhone 16e のシングルカメラは本当に「退化」なのか?
最新モデルのiPhone 16eは、背面に48MPのカメラを1つだけ搭載しています。一見するとカメラが1つしかないため、「機能が劣るのでは?」と思われるかもしれません。しかし、実際には最新の画像処理技術により、1倍と2倍の両方をデジタル処理なしで撮影可能です。
つまり、iPhone 16eのカメラ性能は、かつてデュアルカメラを搭載していたiPhone 7 Plus、iPhone 8 Plus、iPhone X、iPhone XSと同等の機能を備えています。
一見すると、iPadのカメラのようなシンプルなデザインに見えるかもしれませんが、実際には高性能な48MPセンサーと最新の画像処理技術を活用した、十分に実用的なカメラなのです。
まとめ
● デュアルカメラの進化:iPhone 7 Plus から iPhone XS までは「広角+望遠」のデュアルカメラが主流だったが、iPhone 11 以降は「広角+超広角」に変更。
● iPhone 14 Pro以降:48MPセンサーを活用し、1つのレンズで1倍と2倍の撮影が可能に。
● iPhone 16eのカメラは見た目以上に高性能:シングルカメラながらも、過去のデュアルカメラと同等の撮影機能を持つ。
最新のiPhoneは、カメラの「数」ではなく、「技術」と「処理能力」で進化しているのです。
引用元:Why there’s more than meets the eye in Apple’s latest iPhone camera